思い立ってコーヒーを焼いてみた。特に道具は用意せず焼ければ良いやで、フライパン焙煎だ。で、焼くためには生豆が必要と言う事で、仕事の帰りに下北沢で電車を下車、確かこの辺でコーヒー豆を売っている店があったはずだと、商店街の中程モルティブへ。
今までこの店へは入ったことがなかったが、コーヒー豆を売っているなぁと記憶の片隅にあったので初めて入ってみた。
表から見るより狭い店だ。入り口を入ると右側に焙煎器、左側に並べたケースの中には焼いたいろいろな豆が入っているが、それを見せながら販売している。また足下にもなにやら箱があり何が入っているのやら。
店主と従業員だろうか女の子が一人。その店主だろう親父さんに「コーヒーをローストして見たいんですが」と告げると「豆のこと解っているの」と問われた。解っているかとコーヒーの豆屋=プロの人に問われたら、そりゃ、プロじゃないのだから解っているはずがない、どういう意味で問われたのか戸惑ったが「解ってない」と答えた。と「失敗するから、止めた方が良い」という何とも商売ッ気がないのか、プロが焼いた豆を買えと言うことだろうか、素っ気ない事をいう。
で「失敗しても、何事も最初があるから」と言うと。親父さん、素人には参るよと困ったような顔。続けて「どんな豆から始めたら良いのか」と問うとブラジルを勧めてくれた。で、それを100g購入。「他にどんな豆があるのか」と馬鹿な問いかけをしたら「なんでもあるよ」である。そりゃそうだ。焙煎しながら販売しているのだからその数だけ生豆もある訳だ。
で、きょろきょろ眺めて「このモカも下さい」と言ったのだが、「豆によって焼き方が違うから、一つの豆が焼けるようになってからにした方がよい」とアドバイスを頂いたのでモカは断念。
でブラジル下坂農場の豆(Carmo Shimosaka)を買って帰り際に親父さん「良い豆を駄目にされるといやだから、いろいろ言って悪いね」と、ちょっとぶっきらぼうだが、きっととても親切な良い人なのだろう。本当はもっといろいろ話を交わしたのだが大分割愛している。
さて、わが家には鉄鋳物の重たいフライパンがある。この鋳物のフライパンはどこで手に入れたのか忘れたが、いろいろな料理に重宝しているボクの愛用のフライパンだ。
これを空焼きしてくっついている油分をとばして水洗い、さらに洗剤で洗って、さらに空焼きをした。これで、まだ多少は油分が残っているかも知れないが、それほど影響はないだろうと、水洗いをして火にかけて水気を飛ばしていよいよコーヒー豆のローストの開始である。
まずはテストでわずか20gを計量してフライパンに。
最初はレンジの火を弱火にしてタイマー設定を10分に設定、そろりそろりと、モルティブの親父さんにおどされたから、おっかなびっくりで初めてみた。木べらでかき混ぜるのだが、豆の形はご存じのように球を半分にした半月形。裏表上手く返らない。(^^;
ということで、フライパンを振って、チャーハンを炒める要領で豆を煎ることにした。う~ん、色のつきたかが違う。同じ豆でも大きさ、形、水分の含有量などがそれぞれ異なるので、上手く均一に焼くのは難しい。
8分ほどすると、やたらと焦げた薄皮が舞い上がり始めた。は~ぁこれが「チャフ」か、でも、ちょっと多くないか。で、豆がピチピチと爆ぜ始めた。爆ぜると言っても細かく割れる訳ではない。豆に含まれる水分が水蒸気に変わって、豆表面の薄皮=シルバースキンをはがして、さらに豆自体に細かなヒビを作ってるのだろう。これが、一ハゼだよね。
ドリップ用には一ハゼと二ハゼの中間くらいが良いと教わったので、もう少しだ。でも、まだ豆は茶色に焼けた豆とまだ白っぽい豆がある。熱風で焼くと均一に焼きやすいそうだが、熱風の温度は200度位と日常の家庭用品ではそこまで高温の熱風を得ることは難しい。
さらに重いフライパンを振っていると、一ハゼのピチピチが納まったが、チャフは相変わらず舞い上がる。コーヒー焙煎用の手網だと網の蓋がついているようだからチャフも飛び散らないのだろうか。
フライパンの持ち手を左から右、右から左と変えて10分が経過したが、まだまだ、コーヒー豆は白と茶色のまだら状態。最初よりは色の差は少なくなっているけどね。で、タイマーを5分にセット。
振ること2~3分した所で二ハゼだろうかピチピチと音がし始めたので、まだ均一に焼けてないが、フライパンから皿に空けて粗熱を取って焼け過ぎを防止。
本来ならコーヒー豆の炭酸ガス=二酸化炭素の放出が少し納まるまで二三日待った方が良いらしいが、まずは記念すべき第一回目のテストと言うことで、しばらく使っていなかったコーヒーミルを取り出して挽いてみた。う~ん!香がなんとも、と言いたいが。駄目じゃん。と言うか炭酸ガスの匂いと混ざってこれは良い香りではない。
前に銀座のポールバセット(今はなくなった)のカフェで近所からの苦情で店内での焙煎を断念したと聞いていたが、なるほどね。わずか20gではあるが、焼いてみて初めて解った。これがお茶の葉なら焙じると良い香りがするし、茶香炉など普段飲んでいるお茶の葉をそのまま香炉に使うだけで良い香りがするが、コーヒーはそうはならない。
チャフは舞い上がり、飛び散るし、香も焼き初めから途中まではどちらかと言うと良くない匂いであるのだから、家人とか近所に迷惑がられると言うのがなんとなく理解できた。
で、淹れてみた。コーヒーを淹れるのに今はガラスのポットにコーヒーの粉を入れて、そこへお湯をドボドボと注ぎ込み、しばし待ってペーパードリップで漉している。二度手間にしないでペーパードリップでそのまま淹れれば良いようだが、この方が技術不要で味が安定する。フレンチプレスを買えよと声がするが、そのうちね。
さて、結果は「酸味が残って、スッキリ、あっさりした味わい」と言うことは焼きが浅かったようだ。
と言う事で第二回目はちょっと強めの火で40gを焼いてみた。タイマーは15分設定。いや~、チャフは飛び散りますねぇ。一ハゼが納まって二ハゼが始まったが、もう少し強めに焼いてみた。焼きムラはあるものの一回目よりかなりましである。
皿に移して粗熱を取るのだが量が増えた分、熱の取れるのに時間がかかる。やはりドライヤーは必要なようだ。
二度目もテストだからすぐにミルで挽いてみた。ふ~ん、先程よりミルが軽い。深く焼くと、豆は挽きやすくなるんですね。しかし、香は相変わらず炭酸ガスの匂いが混じっているので、良い香りというのとは違っている。挽き終わってコーヒーの良い香を期待するのだが、すこし金属がかった炭酸ガスの匂いが混じって挽きたての香も割り引きになってしまう。
味は「一回目より苦みが増し酸味が消えた。スッキリした味わいは変わらない、ちょっと焦げた香もする」と言うことで炭火焼きコーヒーとまではいかないが今度は焼きが深すぎ、ちょっと焦がしてしまった豆もあったようだ。焼き上がりすぐにドライヤーの冷風で熱を冷ますともう少し違ったかも知れない。次回はドライヤーを用意しよう。
奥さんが帰ってきたので、早速コーヒーを淹れて飲ませると「美味しい!スッキリしてコクがある」と言うことだ。まあ、普段、焼きたての豆を挽いて飲むことがないのだから、そりゃ、普段より少しは美味しくなくっちゃね。:-)
ということで、本日のテストは終了。生豆残り40g。次回はいつテストをやろうか。チャフの飛散を防止するためにフライパンに網を被せる事が必要だろうが、これは油はね防止の裏漉しもできそうな網があるからそれを使えばよいだろう。と、ドライヤーを用意すること。今回は欠損豆のハンドピックをやらなかったが、次回はハンドピックをやってみよう。





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